2016年5月8日

とあるタケノコの直売所で店員のツッコミが秀逸だった話



ブログをご覧いただいている「おかもファン」の方こんにちは。管理人の「おかもインコ」です。

今年のGWはいかがでしたでしょうか?

『また明日から仕事だ~』と憂鬱になっている方もいるかと思いますが、どうせ同じ働くならあまり悪い方に考えず、明るく楽しくいきたいところです。

ところで、今日は旬(しゅん)な時期は過ぎてしまいましたが筍(タケノコ)の話をしたいと思います。私も今気付いたのですがタケノコって「旬な竹」って書くのですね。

さて、タケノコと言うとブログをご覧のあなたはまず何を思い浮かべるでしょうか?

・全く興味がないし美味しいと思わない
・形的に何かの凶器に使えそう
・切った時の匂いが○○くさい

などなど、皆それぞれにご意見があるかと思いますが、ボク的には、大好きなラーメンに入っているメンマが実はタケノコを発酵させたモノだったというのをWikipediaで知って目から鱗でした。確かに食感似てるし。


ところで、実はボクの家から歩いて数分の所にも竹林があり、わが家では昔からシーズンになるとタケノコ掘りに駆り出されてきました。

と、まあ軽い気持ちでできるものなら話題にもならなかったのですが、それが結構な重労働で、ボクの父(72歳)などはそれが原因で腰を悪くし、一時は『もう一生歩けないかもしれない。』などと、ひとりで五月病のような顔をして弱音をはいていた時期があるほどです。(幸いにして今は概ね完治しました)

因みにタケノコ掘りは、我が竹林では桜が散り始める頃からGW前までがシーズンです。それ以外の時期に生えてくるタケノコ(破竹)も食べることはできますが、スジっぽかったり、『タケノコ好きじゃないんだよね』と邪険にされたり、不思議に見向きもされません。

また、毎年1シーズンで50本くらい採るのですが、実際「掘ること」自体はもちろんのこと、掘り出したタケノコを山から担いで下りるのが結構大変です。一番ひどいときなど、90Lのバックパックをパンパンに詰めて、尚且つ両手にズタ袋を持って下りるので、与太ってしまって足元がおぼつかないほどです。


そして、今年もたくさんのタケノコを掘り出してきました。過去何十年もタケノコ掘りを経験し、何百本ものタケノコを見てきたボクの両親クラスの手練れになると、毎年、ボクが掘り出してきたタケノコを見て偉そうに品定めをします。

これはヒョロっと細過ぎるから不味いタケノコだ
このくらい短くて寸胴なのが一番良いタケノコだ

しかしながら、言うのは簡単ですが、自分たちが掘ってきたものならまだしも、ボクが汗をかきかき担ぎ下りてきたタケノコを見てダメ出しするのを聞くと、ボクも『何だかなぁ。』と鼻白んでしまいます。

そんな折、山奥の友人宅に遊びに行った際に立ち寄った農産物直売所で偶然タケノコを販売しており、何とはなしに覗いてみると、近所の爺さんがタケノコを買いたいらしく、店員さんに「良いタケノコ」を選んで欲しいとお願いしていました。

「どのタケノコが良いタケノコで、どれが良くないタケノコなのか。」
ボクは、両親からはその代々伝わる「タケノコ診断」の物差しを勝手に聞かされていましたが、もう少し客観的な基準にも興味があります。そこで、しばらくオブザーバーとして聞き耳を立てていると、その時のやり取りが以下のような驚くべきものだったのです。


爺『あの~、タケノコが欲しいんだけど、どれか選んでくれないかい?』
店員『ん?お爺ちゃんはどんなのが欲しいの?どれが良いのかはそれぞれの好みで違うのよ。

爺『う~ん、こっちの袋詰めのヤツとこっちのヤツは何が違うんかいの~?』
店員『この二本入りのヤツ?お爺ちゃんは二本欲しいの?』

爺『一本じゃあ足りないかの~。じゃあ、この袋のヤツとこっちのヤツとは何が違うんかいの~?』
店員『これ?う~ん、ほら値段が違うのよ。こっちは300円だけどこっちは500円。』

爺『じゃあ、こっちのはどうかの~?』
店員『えっ、これ?これは1本で200円だから○×○×・・・』
以下5分間繰り返した後、店員は痺れを切らしたのかクロージングに向かう。

店員『結局お爺ちゃんはどれが欲しいのよ!』
爺『そうだの~。あっちの3本入った袋のがいいかな~。』

と、爺さんはそれまで店員が一回も説明していない袋入りのものを指差した。そして、店員も心得たもので、呆れ顔ながらも無言でその袋をつまみ上げると、レジで手提げ袋に入れて爺さんに差し出す。

店員『はい、これね。600円ね。』

そうして、爺さんは袋を手に取るとゆっくりと家路に向かって進路を取り、その表情は心なしか満足げに見える。と、店員は爺さんを見送った後、誰にともなく呟いた。

店員『も~。あのお爺ちゃん最初から欲しいのがどれかは決まってるんだから、こっちの話なんかまったく聞いてないのよ。』

店員は笑いながらレジ横の定位置に戻ると、再び何もなかったのように日常の業務に戻っていた。

良いタケノコを選んで欲しいのではなくて確認したかっただけ

そんな言葉が私の頭をよぎったが、とりあえず「どのタケノコが良いタケノコか」というのは相変わらず闇の中だ。

そして、改めて思い返してみると、その時ボクが学んだのは「世の中は非合理なことだらけだが何となく収まるように収まっている」という事実を確認できたことなのかもしれない。

現場からは以上です。

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