2014年12月6日

私が自らのことを専門職だという理由

私の前職場であった人材派遣・紹介事業が好調だと耳にした。

以前にも人材紹介業の記事を書いたが、私は前職でキャリアコンサルタントをして就職を斡旋する《人材コーディネーター》の仕事をしていた
退職してもうじき3年が経つので、もはや過去の記憶になりつつもあるが、もし私が辞めたから数字が伸びたのだとすればそれはそれでネタにしようと思う。

派遣と紹介


私が医療・福祉分野の派遣・紹介事業に携わり始めた時、国内の市場は既に大きな成長分野であったが、私の在籍していた企業を含め県内の競合他社は概ね「どんぐりの背比べ」の状態にあった。

一口に派遣・紹介事業と言っても、派遣事業は、勤怠管理に手間がかかる割に利益を生み出す構造が作り辛く、売上げはともかく中身(利益)があまりなかった。
それに対して紹介事業は、月次の勤怠管理も不要で、明らかに利益を生み出しやすいものだ。

それなら、どんどん紹介事業にシフトすれば良いじゃないかとも思ったが、それが中々上手くいかない。なぜなら、応募のある「求職者」の殆どが派遣の仕事を求めて来るからだ。

そうして、当時「どんぐりの背比べ」を繰り返していた企業は、いつまで経っても紹介するパイは増えず、どこも同じジレンマの中にいた。そこで、私は一つの策を講じることにした。「派遣」の仕事に応募してきた求職者を「紹介」するのである。

選択肢をつくり出す


詳細を書くと長くなるので省くが、最初は苦戦しつつも、慣れてくると段々と実績ができ始める。すると、しばらくして後、隣に座っていた同僚のTは、私の担当地区を羨(うらや)むようにポロッと口にした。

『いいなぁ、中部(地区)は。紹介案件がいっぱいあって。』


私は反論したが、後で振り返るとTは殆ど聞いていなかったか、私の言葉の意味を理解していなかったようだ。しかしながら、その時の私が言わんとしたのは一つだけだ。

『パイがないんなら、パイをつくり出すことを考えなきゃだね。』

当時の部署では、パイを作り出すことに対して「どうやってそのパイを集めるか」に執着しており、一向に集まらないという状況を抜け出せずにいた。

徹底的に考える


そうして、改めて従来と違う方向性を打ち出し、紹介業にシフトしていくと、パズルのように当て込んでいく派遣業と違い、コーディネーターの業務の中に言語化し辛い内容が多く、マニュアル作りが難しいのでノウハウが個人に蓄積されやすいこともわかった。

その時参考にしたのが関東や名古屋から進出していた大手企業だ。大手企業はそれらを難しいなりに形にしており、何とか再現性を持たせて着実に実績を積み上げているようだった。

そして、それらの紹介業に特化している大手企業の中で唯一、静岡にも営業所を構える企業があった。それが《株式会社エス・エム・エス》だ。


エス・エム・エスは、事業規模を始め自分の在籍する企業とはだいぶ勝手が違っていたが、情報を集めてみると、県内でもかなり実績がある事はすぐにわかった。

そうして私は、クライアント先や登録者からエス・エム・エスがどんなやり方をし、またどんな所が良いのかを聞いて、徹底的にパクった。

事業規模などは比べ物にならず、土俵が違うと言えばそれまでだが、一つだけ当時の私が感銘を受けたエス・エム・エスの人材理念をここに紹介する。

「情熱、誠実を持ってプロフェッショナルであることを追及する」―株式会社 エス・エム・エス 人材理念より

組織に依存する人は群れの中で居場所を見つけようとし、仕事に依存する人は個として身を立てようとする。私は後者として生きる者であり、シンプルだがこの理念も後者の考え方をある一面で言語化している。


私は、これからも徹底的に自分の頭で考え、プロフェッショナルを追求していこうと思う。

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